健康ひとくちメモ

エネルギー代謝と老化

加齢ととともに衰える身体機能

「若い頃に比べて無理がきかなくなった」と感じてはいませんか?例えば、昔はなんでもなかった運動で疲れる、ちょっとした環境の変化でも体調を崩してしまう・・・等々。このような加齢とともに生じる身体機能の衰えは、体内でのエネルギー代謝機能の低下が原因です。

生命活動に必要なエネルギー

人間は口にした食べ物を胃や腸で消化・吸収したあと、栄養分として全身に届け、細胞内でエネルギーに換えています。このように、食べ物を体内に取り込みエネルギーに換える一連の流れが「エネルギー代謝」です。糖質、脂質、たんぱく質の3大栄養素を主にエネルギーの基としており、腸から吸収したこれらの栄養分を肝臓などに貯蔵し、必要に応じて全身の細胞に送り出しています。そして、この細胞の中に存在するミトコンドリアという小さな臓器がエネルギーを産生し、生命活動に必要なエネルギーのほとんどを供給しています。

細胞の新陳代謝が低下

しかしながら、エネルギーの代謝機能は加齢とともに低下し、身体機能の衰えを招いています。このエネルギー代謝の衰えは、細胞自体の機能低下を招き、「老化」と呼ばれる体の衰えとなって現れてきているのです。
人間の身体には60兆個の細胞が存在すると言われています。古い細胞を新しい細胞に入れ替えることを「新陳代謝」と呼び、この新陳代謝によって日々新しい細胞がつくりだされているのですが、新陳代謝の周期(サイクル)はそれぞれの細胞によって異なるものの、加齢によってその周期が遅くなるほか、生活習慣やストレスなどの社会環境などの影響を受け、人それぞれ異なります。また、新陳代謝が低下することで肥満の原因にもなります。

エネルギー産生高めるコエンザイムQ10

加齢は誰しも避けて通ることができませんが、「元気の源」として近年、注目されてきている素材が「コエンザイムQ10」です。コエンザイムQ10は、もともと体内に存在している、細胞を構成する補酵素の1つで、特に心臓や肝臓、腎臓、肺などの臓器に多く含まれ、エネルギーを産み出す酵素の働きを助けています。ただ、20歳をピークに加齢ととともに体内での生産能力が低下することが明らかになっており、日常の食生活を通じた積極的な摂取が重要とされています。

コエンザイムQ10は、医療現場において心筋代謝改善薬として活用されていましたが、日本では食薬区分の見直しによって健康素材としての利用が可能となりました。エネルギー産生能力を高めると同時に、強い抗酸化作用を有する素材として注目されています。

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