健康ひとくちメモ

血行不良

人間の体には、成人で体重のおよそ13分の1もの血液が流れています。血液は摂取した栄養分や酸素を末端の細胞まで運ぶほか、老廃物や二酸化炭素を腎臓や肝臓などの処理器官に運ぶ役割も担っています。血行が悪くなると、栄養分が体の隅々まで行き渡らず、老廃物が蓄積されるという悪循環が起こり、肩こりをはじめ、むくみ、吐き気、生理不順、自律神経の乱れなどの症状が現われてきます。さらに進行すると、脂質異常(高脂血症)から動脈硬化、さらには脳梗塞などの脳血管疾患や心筋梗塞など生命に危険を及ぼす疾患にまで発展することもあります。血行は、わたしたち人間の健康に最も重要な影響を与えているといえましょう。

血行不良による日常的トラブル

肩こり・腰痛 関節炎
  • 肩こり・腰痛・関節痛
    血行不良は、疲労物質の停滞をもたらします。筋肉にかかる負担によって、発生する疲労物質がその部位に残ってしまい、炎症を起こしたり、筋肉を緊張状態にすることで、痛みが発生しやすくなります。特に頭の重さを支える首や肩、体の軸である腰、常に動かし続けている関節などで起こりやすい。
冷え性
  • 冷え性
    血液は体温調節の役割を担っており、血行不良は特に体の末端の冷えにつながります。手足は心臓から離れており、血管も細いため、動脈も静脈も血流が滞りがちです。冷え症は、静脈のうっ血などの症状のほか、全身の冷えによるかぜ、頭痛、めまい、下腹部痛などの神経症状なども引き起こしやすくなります。
むくみ
  • むくみ
    下半身の血行不良は、足のむくみの原因にもなります。海外旅行などで長時間飛行機に乗って足を動かさないでいると、足がパンパンにむくんで靴が履けなくなってしまうことがありますが、これは血液の流れが悪くなって血液中の水分が周囲に滲みだし、組織の間などにたまるためです。

血行不良の自覚症状

血行不良の自覚症状1""血行不良の自覚症状2

血行不良を招く生活習慣

血行不良を招く要因として、まず挙げられるのが運動不足です。人間の体は、筋肉を動かすことによって血液を毛細血管の隅々まで循環させているので、体を動かさないと、血液の巡りが滞り、血流が悪くなります。このほか、ストレス食生活の乱れなども要因として考えられます。ストレスによって自律神経が乱れると、血液の循環調整機能が正常に働かなくなります。また食生活の乱れは、緑黄色野菜や魚、豆類など筋肉の働きや血流改善に必要な栄養素の不足を招き、血液の巡りを悪化させます。

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