夏は毎日のように太陽にさらされる季節ですが、肌のトラブルとして起こりやすいのが、紫外線による日焼けやシミ・シワ、そばかすなどです。夏は肌を露出させる機会が増えるため、体で紫外線を受ける範囲が広くなり、必然的に紫外線をたくさん浴びることになります。紫外線は肌だけでなく、体全体にも影響を及ぼすので、日頃からの紫外線予防やしっかりとしたケアが求められます。
日焼けは、紫外線を長時間浴びることによって起こる皮膚の炎症の一種です。皮膚が真っ赤になって熱を持った状態の場合、日焼けした部分を氷や保冷剤、冷湿布などで冷やせば熱はおさまります。また日焼けが全身に及んでいる場合は、水風呂や比較的ぬるめのお風呂に入るのが効果的です。これに対し、水ぶくれ(水泡)や小水疱(直径約3ミリ以上の水ぶくれ)の場合は、速やかに医療機関で治療してもらうことが必要です。
シミ、シワなどをつくる大きな原因は紫外線。シワができるのは、肌の真皮と呼ばれる部分に直接、紫外線が当たることによって、肌のハリを保つコラーゲンなどが破壊されるためで、シミは紫外線などの刺激を受けた際、メラニン色素が増えるために現われてきます。しかも、紫外線によって体内に活性酸素が発生し、シミやシワをさらにひどくさせてしまいます。
紫外線は太陽から放射される光線の1つで、波長の長さによって短波長紫外線(UVC)、中波長紫外線(UVB)、長波長紫外線(UVA)の3種類があります。この中で肌に影響を及ぼすのがUVAとUVBです。
UVBは、ほとんどが角質層で吸収され、真皮に届くのは全体の10%程度と言われています。日光浴や海水浴をしたあとに、肌が真っ赤になったり水ぶくれができたりするのは、このUVBが肌の表皮にあるメラニン細胞を活性化させ、日焼けの状態を引き起こしているためで、これがシミなどの原因ともなります。
UVAは角質層と表皮を通ってほとんどが真皮にまで到達し、コラーゲンとエラスチン(肌の張りを保つ2つの繊維)を壊し、シワなどの光老化の原因になっています。また活性酸素を発生させて遺伝子を傷つけたり、皮膚の免疫力を低下させます。
肌のトラブルを防ぐためには、何よりも紫外線を直接、長時間にわたって浴びつづけないことです。外出時には日傘、サングラス、長袖の服、日焼け止めなどで対処しましょう。
また肌を健康に保つために欠かせないのがビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどビタミンです。特にビタミンCは、体内の細胞と細胞を結びつけているコラーゲンを増やして肌のハリと潤いを保ってくれるほか、シミ、くすみ、そばかす、日焼けによる色素沈着などの原因となるメラニン色素の生成を抑制するとともに、体内の活性酸素を消去して肌の健康を保ってくれます。
ビタミンEにもメラニン色素や活性酸素を抑制する働きがあり、ビタミンCと同時に摂取すると、抗酸化作用が強化され、肌の老化を防ぎ、肌の若さと潤いを保ち、シワなどができにくい肌にしてくれます。
シミ、そばかすなど肌のトラブルを誘発するのは紫外線だけではありません。以下に挙げる項目に身に覚えはありませんか?